茨城大学人文学部鈴木敦 教授・神田大吾 准教授
「プレゼン講座」という名前はよく耳にしますが、概して「PPTの単なる操作法講座」が多いようです。
「考えを纏める技法に関する講座」「PPTの単なる操作法講座」「ビジネスマナー講座」「話し方講座」等はいくらでもありますが、これらを有機的に結びつけた、「本当の意味でのプレゼン講座」は、これまで幾ら探しても見つかりませんでした。
私の専門は中国考古学ですが、学生の就業力育成を支援する「プロジェクト実習」という授業も担当しています。
プレゼン能力は、就業力を構成する重要な要素ですので何とか「本当のプレゼン」を教えたいと思ってきました。
(あくまで理念型であり、私自身はそういうプレゼンはとんとできていません)それなら実物を見せて学ばせようと、予算を確保してバスを仕立て「先進地実地研修」と称して、東京周辺で行われる社会人基礎力育成グランプリやツーリズムセミナー等に連れていき、予選を勝ち抜くなどしてある程度のレベルに達している他大学のプレゼンを参観させるという努力もして参りました。
先進地実地研修は確かに効果が認められますが、あくまで目の前の事象から学生が断片的につかみ取り、経験が乏しい中で自ら再構成するという学びですので、プレゼンそのものに関する進歩はどうしても「ゆるやか」なものに留まります。
何とか<体系的に>本当のプレゼンを学ばせる機会を作り、学生のプレゼン能力を急速かつ大幅に高めたいと思っていましたが、そのような能力をお持ちの方がそもそもいらっしゃるのかからして、全く情報がありませんでした。
研修に詳しい企業の知り合いに、上記の内容を詳しくご説明した上で、人捜しとご紹介をお願いした次第です。
当初は<求めていることは分かるが、そういうことが教えられる人は、少なくとも社内にはいない>と仰っていました。
それでも重ねてお願いした所、人脈を駆使し探していただきご紹介戴けたのが渡辺先生だったという経緯です。
後日お名前を伺ってから、どこかで聞き覚えのあるお名前だなと思い、プロジェクト実習履修生用に買いそろえておいた書籍類を当たったところ、御著書の『新社会人が身につけたい仕事の基本』を見つけました。
副題の「ビジネスマナーとパソコン操作が一冊でわかる!」は正に私がお願いした<必須要件>に合致する方であることを端的に示しており、この方なら大丈夫、と確信した次第です。
戴いたシラバスから、冒頭に記した「考えを纏める技法に関する講座」「PPTの操作法講座」「ビジネスマナー講座」「話し方講座」等々を有機的に結びつけた、「本当の意味でのプレゼン講座」という、期待通りの講座を開講して戴けることが分かりました。
わが校が力を入れている「学生が自ら取り組む=アクティブ・ラーニング」がたっぷり含まれているこの講座を受講することを、学生と共に、私たちも楽しみにしております。
茨城大学人文学部
鈴木 敦教授・神田 大吾准教授